希望の党 改憲案 原発ゼロ 法的分析等



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 将来政権交代が起きても原発ゼロの方針が変わらぬよう、幅広く与野党合意を形成し、原発ゼロを憲法に明記することを目指す(再掲)。

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希望の党 政策について



 憲法中に原発ゼロを明記するという案は、かなり特異なものである。


 原発ゼロは、政策を憲法中に持ち込もうとするものなのではないだろうか。憲法体系から見ても、あまりこのような条文は馴染まないと思われる。

 


 憲法の体系を見てみよう。




 この憲法体系の中に、原発ゼロの禁止規定を加憲するつもりであると思われるが、なかなか奇妙に思われる。


 現行憲法には、人権規定の中にも「環境権」という明確な規定も存在していない。13条の幸福追求権の包括的基本権から環境権もある程度の範囲で認められると解されるが、原発ゼロとは直接結びつくような概念ではない。そのため、第三章「国民の権利及び義務」の章に原発ゼロを直接書き込むことも相応しいとは言えない。

 

 記載するとすれば、第二章「戦争の放棄」の章と同じように、国権の抑制を実現する禁止規定の位置づけで「原発ゼロ」の章を新たに加えることになるのだろうか。

 

 そうなると、「基本的人権の尊重」「国民主権」「平和主義」の三大原則に「非核主義」の原発ゼロを加え、四大原則をつくるつもりなのだろうか。これは、憲法の根本理念にまで改変を加えることとなるため、相当に大きな議論が必要となると思われる。

 


 このように、憲法という人権保障の法典形式の中に、原発ゼロを加えるということは、憲法体系に根本的な変革を迫るものとなり得る。


 原発ゼロを明記する改憲案は、憲法体系のコンセプト全体に関わる問題となる。どのようなものを想定しているのか、今後の展開を注視していきたい。




核融合炉はどうするのか

 

 原発ゼロを明記する場合、核融合炉については禁止されるのだろうか。原発とは事故時のリスクの性質が全く違うようである。これら、技術的に線引きのできない曖昧な議論が相当に必要となると思われる。


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